蔵書票の作家を紹介するカテゴリーです。
本のイラストが蔵書票として使用されることについて アルフォンス・ミュシャとルーカス・クラナッハ
蔵書票は原則として個人のために制作するオーダーメイドですので、そのデザインは単一のものになるはずのですが、まれに本の挿絵で蔵書票と同じデザインのものが存在するケースがあります。今回はアルフォンス・ミュシャとルーカス・クラナッハが制作した蔵書票を資料に解説してまいります。
ゲテ本その3 紙魚供養 斎藤昌三と書物展望社 変わった装幀
ずいぶん前のジャーナルにて紹介しましたゲテ本装幀「造本小僧浮世戯書」に引き続き、久しぶりのゲテ本の紹介となります。ゲテ本のゲテはゲテモノのゲテと同じ意味で、漢字では下手と書かれて一般には質の悪い物全般を指す言葉として認識されています。ただ装幀の世界では、もう少しポジティブな意味を与えられています。
童話作家初山滋作の蔵書票、および手掛けた装幀など
童話作家として戦前、戦後にかけて活躍した初山滋による蔵書票を紹介したトピックです。票主(蔵書票の依頼主)の少雨荘も斎藤昌三という、一部で著名な本の研究家だった方です。あわせて初山の装幀についても言及しています。
自分の蔵書票「自票」 エドゥアール・マネ アール・ヌーヴォーなど
Bonjour. 蔵書票にしばらくの間関わっていると、自票という言葉といずれ出会うことになると思います。要は蔵書票のことを指して使う言葉なのですが、自という言葉から想像される通り、自分の票であることを示す際に自票が用いられます。例えば...
ハインリッヒ・フォーゲラーの蔵書票 日本の白樺派との関わり
今回はドイツ出身の画家ハインリッヒ・フォーゲラーの蔵書票に関するトピックです。フォーゲラーはドイツにおけるアールヌーヴォーを取り上げた際に、頻繁に登場する人物の一人です。また白樺派と呼ばれる日本の文学者集団と明治末期に関わりをもったことでも知られています。
エミール・オルリックの蔵書票 明治期の日本との深い繋がり
「エミール・オルリック」の名で主に版画家として活動していた人物がおりまして、彼は明治期の日本と深い接点を持っており、かつ日本に蔵書票を伝えた最初の外国人と考えられています。
Painting Exhibition featuring Asako Toyoizumi with book-plates 貼り付ける蔵書票
2021/12/6~12/26 13:00~18:00(水木休)で、作家豊泉朝子さんの作品展を実施中です。今回こちらの依頼で、蔵書票も多数制作頂きました。また実際に貼り付けた本も、参考として展示しております。
世界最古級の蔵書票 ドイツのハリネズミ 掛詞 言葉遊び 紋章
俗に「ハリネズミの蔵書票」として知られている、15世紀に製作された最古級の票を紹介します。こちらの蔵書票、日本では単純にモットー(格言)に書かれている言葉にしか言及していないのでですが、私はもう一歩踏み込んで呪いの言葉(ブックカース)やカンティング(一種の言葉遊び)についても説明を加えてみました。
日本書票協会 The Nippon Exlibris Association
蔵書票を一般に普及させるといった名目でもって「日本書票協会」は1943年に創設されました。(設立当時は日本愛書協会) 協会は原則として会員制を採用しており、所属会員に様々な特典と情報を提供し続けています。
音楽票? 蔵書票の亜流、ないし進化系?
蔵書票から派生したとされるものの中に、音楽票があります。蔵書票が本に貼り付けられていたように、音楽票は主に楽譜に貼り付けて、その所有者を示したとされているものの、実は色々うさん臭い部分も含有しているので、その辺もちょろっと触れてまいります。