日本書票協会  The Nippon Exlibris Association

Bonjour.

蔵書票は認知されている方であっても、今回ご紹介する「日本書票協会」の活動まで把握されている方は、そう多くはないはずです。日本書票協会は、「蔵書票の普及」を軸に、戦争末期の1943年から現在に至るまで、活動を継続しています。では具体的にどのような情報やサービスを提供しているのか、目下「B会員」として所属しております、LE PETIT PARSIEN主人(もとい私)が簡潔に紹介していきたいと思います。

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

書票協会では「会員制」を採用しておりまして、所定の年会費を支払うことで入会が受理されます。入会の条件などは不問で、協会の活動に関心がある方全てが対象となります。会員の主たる特典の一つが、動画にあります「日本書票協会通信と短信の配布」です。蔵書票に関わる様々な情報、例えば書票関連の展示会実施、蔵書票作家の紹介、会員・理事による蔵書票にまつわるエセーなどが挙げられます。それとは別に、「会員名簿&日本書票協会のあゆみ」が入会と同時に送付されます。名簿にはコレクター(蔵書票を収集する方)とアーティスト(蔵書票作家)の名前と住所が記載されており、主にコレクターが所定のアーティストに蔵書票の制作を依頼する際等に使用されます。日本書票協会のあゆみは、その名の通り、協会の変遷を端的にまとめた冊子です。

もう一つの特典は、「蔵書票カレンダー」の配布です。1950年より運用がスタートし、こちらはA会員にのみ配布されました。「今村愛書」、「柴田蔵」と個人の名前が見られるように、元々は個人宛で制作した蔵書票を、カレンダーの図版として使用しています。古くは、恩地幸四郎、関野潤一郎、また動画で紹介した武井武雄など、版画会の錚々たる面々も、カレンダーの顔として自らの作品を提供していました。ただ肝心の蔵書票を注文するコレクターが減った関係からか、昨年2020年度をもってカレンダーは終了しました。ちなみに、このカレンダーを目当てに協会に加入していた方も多かったそうです。

以前蔵書票カレンダーというトピックで、別のカレンダーを紹介しています。ご参考まで。

蔵書票カレンダー

2ページ目以降の構成は、毎回ほぼ変わりありません。実は毎回個人的に注目している欄が、毎回最後に掲載され「訃報のお知らせ」です。蔵書票を注文することで作家を支えた著名なコレクターや、多くの魅力的な蔵書票を制作した作家が、最近とみに鬼籍に入っている気がしてなりません。最近ですと、出版社勤務を経たのちに多くの多色木版画蔵書票を制作した「山高登」氏などが、強く印象に残っています。参考までに氏の過去の展覧会情報を共有します。

昭和の東京風景が心に響く。山高登作品の魅力と91歳で写真家デビューするまで

おわりに

(幽霊会員の)私から見るに、日本書票協会の主たる活動目的は、「蔵書票の交換」です。各々が作家にオーダーして作ってもらった蔵書票、または、アンティークショップ等で購入した古い蔵書票を元手に、他の方が所有している蔵書票で気に入ったものと交換する訳で。要は、切手収集のような様相を呈している部分が強いのです。これは日本独自ではなく、国際的な潮流です。というよりも、こういった傾向が始まったのは西洋からです。

そんな訳で、日本書票協会は「蔵書票の普及」ではなく、「蔵書票による会員同士の交流」を主軸にして活動していると言えます。恐らくその辺りが、中々蔵書票の存在が広まらない所以と関係しているのではないかと、愚考する次第であります。僕が何とかしないとね。以上!!!

興味がございましたら、youtubeのチャンネル登録にご協力頂けますと幸いです。動画の全編は下記となります。ご参考までに。

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