女性の紋章型蔵書票 盾は使用せず菱形が特徴

Bonjour.

実は?(でもないか😂)、男性のみならず女性でも蔵書票を所有している人はいました。女性であっても男性を凌駕するほどの読書家は昔からいたようで、ルイ15世の愛人だったポンパドゥール夫人などはその代表格の一人と思います。今回は男性との違いが分かりやすい紋章型のものを参考に比較していますが、その他のデザインのものでも何となく女性っぽいと感じさせるものが多いので、それはまた機会が許せばご紹介しますね◎

 

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

 

国・時代・流行関係なく、菱形になっているものは全部女性の蔵書票!と断定して問題無いと思います。菱形だけでなくオーバル(楕円)型でも女性のものをときおり見かけますが、こちらは男性でも使用されておりますので必ずしも女性限定という訳ではないようです。また時代によっては菱形を歪ませて表現しており、地域によっても呼び名が異なりますが一般にチッペンデールロココ様式などと定義されています。ロココの呼称から分かるように、蔵書票の意匠が最も華やかだった時代でもあります。ただフランスにおいては、その過剰な装飾から下品だといった意見もあります😂

 

男性のもの関しては過去にも色々と紹介してきたので、過去のジャーナルなどを参照してもらえると嬉しいです😅 ちなみに動画で解説を濁したDie-Sinkerスタイルは、直訳すると型を作る職人スタイルという、何やら訳の分からない名称になります😅笑 18世紀末から19世紀前半くらいによく見かけるスタイルで、恐らく型にはめて作ったようにかっちりとした盾が特徴であると名付け親は言いたいのだと思います。が、こちらも同時代の研究者から死ぬほど分かりにくいと酷評されています笑

 

説明が錯綜して済みません!😂 デュ・バリー夫人ことマリー・ジャンヌは厳密にはデュ・バリー子爵のと結婚したそうです。本来は弟であればディファレンシングという作業をして兄と違う紋章にしないとならないのですが、こちらの紋章を見る限りは兄のものと同一で蔵書票に仕立てています。ちなみに右側のデュ・バリー夫人の紋章は恐らく適当にでっち上げた捏造品の可能性があります。彼女は平民出身であり、もとより紋章など持っているはずがないのです。正式に認められた旦那の紋章と組み合わせる(arms of allianceと呼ぶそうです)ことで、人々の目を欺いたのかも知れませんね😁 いずれにせよ興味深い蔵書票です。

 

おわりに

ちなみに今回は男性の紋章と女性の紋章で比較していますが、そうでないものであっても分かりやすく違いがあります。例えば男性の古い蔵書票によくある大砲や槍などのモチーフは、基本的に戦争に参加しない女性の蔵書票に現れることは少ないです。まぁそもそもの話として、女性の蔵書家が男性に比べて圧倒的に少ないので、これまで作られた蔵書票の大半は男性のものと特に調べなくても調べがついてしまうんですけどね😂 お粗末な終わり方でどうもすみません😂

 

動画の全編は下記となります。ついでにチャンネル登録もらえたら嬉ちーなと思うこの頃です。

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