Bonjour.
蔵書票は本来、書籍に貼り付けて、その所有者を証明するものとして機能しますが、一方では純粋に版画作品、或いは、本の挿絵としてなど、美術的側面も強調する傾向も長らく続いております。今回は、後者の特徴に焦点を当てたトピックとなります。
※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。
蔵書票カレンダーは、蔵書票愛好家の交流拠点である「日本書票協会」が毎年A会員向けに送付しております、各月に特定の作家の蔵書票を貼り込んだカレンダーです。書票協会の前身である「日本愛書会」の時分より、カレンダーの制作が開始されたとのことで、かれこれ80年近く続く活動のようです。ちなみにA会員は年会費12,000円、B会員は3,000円となります。B会員ですと、蔵書票にまつわるトピックをまとめた冊子「日本書票協会通信」「日本書票協会短信」のみ、年四回受領する権利を持っています。ちなみに、私はB会員です。加入条件は特にありません。
A5サイズ程度の和紙に、蔵書票を貼り込んでいます。制作された作品はいずれも松本旻氏によるものですが、残念なことに私はつゆも存じ上げない作家さんです。また、蔵書票の世界において木版画は頻繁に技法として選択されるものの、オフセット?印刷の方はそれほどメジャーなそれでは無いので、少しばかり驚きました。おのおの異なるデザインで、票主(蔵書票の所有者)も異なっています。一人の作家に対し、一人の票主が複数の蔵書票の制作を依頼するケースもあります。
まず、制作した初摺の蔵書票を、作家は票主に納品します。およそ30~100枚程度と聞いています。その後、後摺という形で、A会員に送付する枚数分摺り増しを行い、カレンダーに貼り付けていきます。協会の最盛期には、もしかしたら1000枚以上摺っていたかもしれませんね。版木がそんなに持つとは思えないのですが。。
おわりに
協会の黎明期には、絵本画家の初山茂や、版画家の恩地幸四郎等も会員だったそうで。今考えてみるとそうそうたるメンバーが名を連ねていたのに、蔵書票は一個の文化として未成熟な形で広まってしまったように思えてなりません。その辺を少しずつ改革していくのが、私の役目と自任しておる今日この頃です。。
ちなみにこちらのカレンダーは、メルカリにてたった600円!(送料込)だったそうで。知らない方からすれば一銭の価値もありませんから、仕様がありませんね。近隣で懇意にしているうどん屋が、気を利かせて購入してくれました。洗脳しておいて正解でした。それでは、メルシー、アビアント、ボンジュルネー!
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