ソフトカバーとダストジャケット

Bonjour.

本に関する要素の中で「ソフトカバー」は、皆さん割合と親しみがあるかと存じます。一方で、「ダストジャケット」は馴染みが無いどころか、耳にしたことすらない方々が多勢を占めるのではないかなと、容易に推察されます。しかしながら、実はダストジャケットも、我々にとって非常に身近な存在なのです。今回は、その辺に焦点を当てて解剖していきます。

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

動画の通り、我々が普段’カバー’および’ソフトカバー’などと呼称しているもの、これこそが「ダストジャケット」です。え、じゃ、カバーって一体何なの?と困惑される方がいらっしゃるかもしれませんので、次の動画をご覧ください。

ダストジャケットは、1820世紀前半くらいに(確か)英国で使用され始めたと言われております。当時のダストジャケットは紙だけでなく、布製のものもあったようです。現在のジャケットと根本的に異なるのは、ジャケットが本を「包む」ないし、「筒形」の形状になっていた点。現在のように、本の形状に合わせて被さっている訳ではないので、一旦ジャケットを外さないと本が読めなかったらしいです。

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出典:The Conveyor Research in Special Collections at the Bodleian Libraries

ちなみに、こちらが現在世界最古とされているダストジャケットです。1830とありますが、実際には1829年とのことです。この平べったい薄紙で、本を包んでいた訳ですね。


カバーはジャケットを外した先にある、本の一番「外側」の部分だったのです。度々、これは何ですか?とダストジャケットを指しながら質問します。大概の方々はカバー(ソフトカバー)と答え、続いて、これは何ですか?とソフトカバーを指しながら質問すると、ほぼ全員が回答に窮します。こんな意地の悪い行為をして人格が疑われそうですが、より深く本の仕組みを理解する上で必要なのです!、と最もらしいことを述べて閉店ガラガラ。

おわりに

動画のラストで言及しておりますように、ソフトカバーにダストジャケットを被せる文化は、西洋にはありません。いわゆる「ペーパーバック」を想像されると、理解しやすいかと存じます(想像できない方は、ネットで検索)。これは、何を以て完成した本と為すかの意識の差異に由来しております。で、結果としてその差異は、装幀の文化を詳細に把握していなかった、当時の日本の出版社が産み出したんじゃないかなと思う今日この頃です。それでは、メルシー、アビアント、ボンジュルネー!

ご興味がございましたら、youtubeのチャンネル登録に協力頂けますと幸いです。動画の全編は下記となります。ご参考までに。

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