書斎企画「で、装幀って何?」展の様子

Bonjour.

2020年8月16日~8月29日(木曜定休)の間で、書斎企画の装幀展を実施しております。今回の展示の意図にそぐう本を書棚からピックアップし、端的なキャプションを添えて説明を加えています。装幀に焦点を当てた展示それ自体は、時折特定のギャラリーでも実施されているのを見かけますが、私の書斎での装幀展は、他とは少々異なるおかしな?コンセプトを持っています。その辺りのことを、添付動画を参考にしつつ、端的に紹介していきます。

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

本関連の展示で、壊れた本を敢えて設置するといった試みは、中々類例が少ないものと推測します。壊れているお陰で、本の内部構造が露になり、私のお客様への説明が容易となります。特に伝統的なスタイルの装幀を説明する際には、普段見えない部分へのアプローチが何よりも重要なのです。例えば、古い装幀の本のほとんどは、「麻糸」を使用して本の背の部分と表紙を繋いでいるのですが、表面からその糸は全く露出していないので、実際の構造は本を解体するか、もしくは、既に壊れている本を用意するかしないと、理解するのは難しいと思われます。

その他16世紀に作られた豚革装幀、以前ジャーナルで紹介したケンブリッジパネル、箔押しの美しい装幀、20世紀初頭の版元装幀など、様々な切り口で装幀とは何たるかを紹介しています。時代が進むごとに、装幀が徐々に簡素化していく様子を、展示を通して少しでも把握してもらえると嬉しいです。印刷技術が徐々に機械化されることで、装幀に時間を割くことが難しくなったのです。

おわりに

展示してある本は、「全て」じかに触れて御覧頂くことが可能です。その際は書見台(本を閲覧する台)を用意致しますので、お気軽に申し付けください。万が一、御覧になった方の過失で本に傷がついたとしても、責任は書斎主人である私が負います。そんなリスキーな行為をせず、純粋に展示のみ実施すれば良いのではないかといった意見もあるかと存じますが、立体物である本は五感で感じて初めて理解への第一歩となると確信しておりますので、今後もこの方針は変わりはありません。また、展示していない本も、全て手に取って御覧頂けます。本の知られざる側面に、ぜひ触れてみてください。それではメルシー、アビアント、ボンジュルネー!!!

※展示終了後も、本は御覧頂けます。お気軽に申し付け下さい。

興味がございましたら、youtubeのチャンネル登録にご協力頂けますと幸いです。動画の全編は下記となります。ご参考までに。

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