Bonjour.
昨年末、ブックアーティストとして活動していらっしゃる赤井都さんの自宅兼工房にお邪魔致しました。その際、小型の活版印刷機である「テキン」を動かして、活版でカレンダーを作る様子を撮影しました。印刷機は約90年ほど前のアンティークのようですが、まだまだ現役で機能しているとのこと。デジタルに勝るアナログの妙味を感じました。
※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。
カーボンブラックと赤を混ぜてもらいました。今回は最も古典的な活版印刷なので当然ですが、その後20世紀前半頃より隆盛し現在もまだまだ稼働中のオフセット印刷でも、こういったアナログな作業が発生します。絵具は銅版画用のものを使用していますが、実際にはあらゆる種類の絵具で刷ることが可能です。どちらかと言えば粘土の高い絵具の方が、深みのある色合いが出せそうですね。
インクを調合し終えたら、それを活版印刷機の円形の台にまんべんなく塗り付けていきます。そして印刷機の左手にあるレバーを下げるとローラーが上がるので、そこに塗り付けたインクをのせていきます。このレバーが思いのほか重いんですよね・・。がっちゃんがっちゃんと、下町の工場のような騒がしい音をいちいち立てるだけの理由があるということですね。
最後に組版(印刷する活字を組んだ箱のようなもの)を印刷機にセットし、印刷する用紙を反対側にセットします。赤井さんの使っている印刷機は用紙を固定する機構が無い(元々はあったのかも知れません)ようで、テープで仮止めしたのち印刷の工程に入りました。以前こちらのジャーナルでも数回に渡り紹介しております恩田製本所にもこちらと同じ小型の印刷機があるのですが、そちらには金属製の細い棒?のようなものが飛び出しており、それを見当に用紙をセットする仕組みになっていました。印刷は無事成功。動画ですと暗くて分かりづらいものの、活版印刷特有のにじみや擦れがあって良い味が出ています。ハンドメイド感を味わいたい方は、是非体験してみて下さいね。
おわりに
テキンが何で小型活版印刷機を指す言葉なん?と常々疑問を感じており、最近になってようやっと由来を調べてみたのですが、結論は「不明」です笑 テキンはテフートとも呼ぶそうで、こちらはテ(手動)のフート(foot pressのfootがなまったもの)から来ているとのこと。ちなみにテキンを「手金」と表記しているものは間違いだそうです!それでは、ボンジュルネ~!!
赤井さんの活動は、下記をご覧ください。ミニチュアブック制作講座をご自宅でやってます。豆本関連の本も出版されています。
興味がございましたら、youtubeのチャンネル登録にご協力頂けますと幸いです。動画の全編は下記となります。ご参考までに。
コメント