製本における、手かがりと機械かがりの違い

Bonjour.

本の背中の部分は、「綴じ」という作業によって作られています。一昔前までは糸を使用してページとページを繋いで背中を作っていましたが、現在はホットメルトと呼ばれる特殊な接着剤を使用するのが一般的です。とはいえ、こちらの部分は普段本を紐解いていても見えない部分ですので、中々口頭で説明しても分かりづらいのが残念なところです。そんな中、恩田製本所の恩田さんがその点について言及している動画が見つかりましたので、理解の一助になればと思い、紹介致します。動画がブレブレなのは、私の撮影能力の問題です。申し訳ない<(_ _)>

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

動画の25~26秒辺りに見える部分が、本をかがっている箇所です。手かがりは、一つ一つページの束を、手動かつ糸で繋いでいくかがり方、一方で機械かがりというのは、専用の機械にセットした糸を使用して本を綴じるかがり方です。前者は太い糸でしっかりと綴じることから、耐久性の面では優れているそうです。ただし、一冊一冊人の手でかがっていくので、どうしても時間がかかってしまう、そんな時には、機械かがりの出番がやってくる訳ですね。でも機械かがりだと、テンション(糸を引っ張る力)をかけすぎた際に、糸が切れてしまうので、手かがりほど綴じの融通が利かない。どちらも一長一短なんですね。

そして糸綴じの他に、「無線綴じ」という綴じ方があります。無線綴じは、冒頭で説明した、糸を使用せず接着剤で背中を固める手法です。動画でも呟かれてますが、かつての学習帳は糸で綴じられていたみたいですね。私が小学の時分であった平成初期には、既に無線綴じに移行していたはずです。(ヤバい、齢がバレる!)糸綴じは原則として本の開きが良くなる傾向にあるので、実用本位の学習帳などにはうってつけの製本様式ですが、開きが悪かろうが、それよりも更にコスト安の無線綴じが業界の主流となっています。

おわりに

無線綴じで作られた本に溢れた現在の出版業界ではあるものの、時折本を綴じた糸を剥き出しにした装幀を、写真集やその他ヴィジュアル重視のアートブックに見かけることがあります。流行っているのかどうか知りませんが、ドイツ装(何故こう呼ばれるのか未だ不明)という、表紙に厚紙を貼り付け、背の糸の部分を剥き出しにするスタイルの本が、その代表格と言えそうな気がします。うちの書斎に設置してある印刷博物館の図録がまさにドイツ装の典型ですので、参考までに写真を添付しておきます。でわでわ。

ご興味がございましたら、youtubeのチャンネル登録にご協力頂けますと幸いです。動画の全編は下記となります。ご参考までに。

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