写本ドイツで作られた、15世紀の装幀本 その3 紙の素材・注釈の意味・印刷技術 15世紀最大の発明の一つと言えば、活版印刷?ではないでしょうか?しかしながら、グーテンベルクに始まる活版印刷がヨーロッパ全土に浸透したのは16世紀以降で、それまでは手書きの写本も並行して数多く作られていました。今回紹介する15世紀の印刷本は、その過渡期であることが分かる特徴が印刷に顕れています。 2021.01.26写本本の構造本の著者装幀あれこれ装幀のスタイル
写本ドイツで作られた、15世紀の装幀本 その2 本の型押し・革の種類・蝶番 前回に続き、15世紀の装幀に焦点を当てて説明を加えています。今回は、本に使用されている革の種類、蝶番を取り付ける意味、型押しと箔押しの技術に言及しました。私の不手際で、型押しの装飾が見えづらい形で撮影してしまいました。申し訳ございません。 2020.12.19写本本の構造装幀あれこれ装幀のスタイル
写本ドイツで作られた、15世紀の装幀本 その1 本の「台」としての装飾 装幀の歴史の中で、「15世紀」は重要なワードです。15世紀は、グーテンベルグによる活版印刷の発明が影響し、多くの出版物が印刷される流れが産まれました。それに併せて装幀も多様化し、「愛書家」と呼ばれる特異な人種が出現したのも、この時代でした。 2020.11.18写本本の構造装幀あれこれ装幀のスタイル製本道具
本の著者画家の装幀 棟方志功 脳室反射鏡 棟方志功は、単なる木版画家に留まりません。実は本の装幀にも深く関わっており、民芸との接点を通じて、多くの本に自らの版画を摺りこみました。今回ご紹介する「脳室反射鏡」は、彼の木版画を存分に味わえる一冊となっています。 2020.11.09本の著者本の装幀家装幀あれこれ装幀のスタイル
本の著者小穴隆一の装幀 芥川龍之介との関わり 洋画家「小穴隆一」の名を知る方は、そう多くはないはずです。洋画家としては高く評価されなかったものの、芥川龍之介の初版本の装幀を手掛けた側面は、未だ注目に値する業績です。また、彼との密接な関りも、小穴の人生を少なからず彩っています。 2020.10.07本の著者本の装幀家装幀あれこれ装幀のスタイル
写本16世紀における西洋の装幀 豚革で包まれた本 本の装幀に革を使う場面は少なくありません。使用する革の種類も様々ですが、現在は主にヤギと牛の革が選択される場合がほとんどです。一方で、今回ご紹介する本は、豚革で包まれています。豚革本は、古典的装幀を語るうえで外せない要素なのです。 2020.08.30写本本の構造本の著者装幀あれこれ装幀のスタイル
その他書斎企画「で、装幀って何?」展の様子 オープンな書斎ル・プティ・パリジャンでは、時折一風変わった展示を実施しております。今回は、装幀の構造をより深く把握するために、敢えて「壊れた本」を設置しました。 2020.08.22その他書斎の様子本の構造装幀あれこれ装幀のスタイル
本の構造ゲテ本装幀1 造本小僧浮世戯書 青園荘刊行 嘗て、斎藤昌三という一人の愛書家が、「下手本」ばかり世に送り出す活動を行っていました。下手とはいわゆるゲテモノのゲテで、装幀に使用する素材が異常であったり、実用性に欠ける仕様になった造本などを、総じて下手本と呼称していました。今回はその中でも特に変わった一冊を紹介します。 2020.08.17本の構造装幀あれこれ装幀のスタイル
本の構造装幀のスタイル1 ケンブリッジパネル 18世紀、英国を中心に人気を博した技法に、ケンブリッジパネルがあります。ケンブリッジパネルは、表紙にマスキングを施すことで、部分部分で異なるカラーを塗布し、その後、熱を帯びたコテで溝を作ることで表現する、洗練された装幀スタイルです。 2020.06.19本の構造装幀のスタイル製本道具
本の構造装幀におけるマーブリング 糊を溶かした水溶液を水面に伸ばし、その上から絵の具を垂らすことで模様を作り出した後、所定の紙で摺り取る技法を、「マーブリング」と呼びます。マーブリングは、日本の墨流しと同じような過程により作られますが、模様のバリエーションや使用する素材は多岐にわたります。 2020.06.15本の構造装幀あれこれ装幀のスタイル