蔵書票あれこれ

蔵書票あれこれ

蔵書票のモチーフとしての、「紋章」と「家紋」の差異

蔵書票に最も多用されてきたデザインとして、まず紋章が筆頭に挙げられます。16世紀~18世紀までに制作された蔵書票のほとんどは紋章をモチーフにしていました。一方で、紋章の親戚と認識されがちである日本の家紋は、滅多に蔵書票に取り入れられることはありません。これらの差異は、何処に起因しているのでしょうか?
その他

国外における、蔵書票の様々な呼び方 

蔵書票は日本語である通り、国外で通じる言葉ではありません。現在、主に「エクスリブリス(EX LIBRIS)」の呼び方が半ば一般化している蔵書票ですが、過去にはそれに限らない様々な呼称がありました。これは「蔵書票を定義する単語が統一されていなかった」点も関係していると、私は推測しています。
蔵書票あれこれ

音楽票? 蔵書票の亜流、ないし進化系?

蔵書票から派生したとされるものの中に、音楽票があります。蔵書票が本に貼り付けられていたように、音楽票は主に楽譜に貼り付けて、その所有者を示したとされているものの、実は色々うさん臭い部分も含有しているので、その辺もちょろっと触れてまいります。
蔵書票あれこれ

偽造された蔵書票 ジョージ・ワシントン

アメリカ初代大統領であるジョージ・ワシントンも、蔵書票を所有していました。彼の蔵書票は非常に人気が高く、過去には偽造されたものも多数出回っていたようです。どのような場合に蔵書票は偽造されるのか?今回はその辺に焦点を当てていきます。
所有者を示す方法

聖職者の蔵書票2 司祭編

前回に引き続き、聖職者の蔵書票の紹介です。前回よりも精緻な銅版画で、当時におけるカトリック教会の権威性が、ひしひしと感じられます。また蔵書票の真ん中に配置されている骸骨には、西洋絵画に特有の「ある要素」が垣間見えます。
蔵書票あれこれ

聖職者の蔵書票1 司教編

蔵書票は、平民貴族のみならず、実は聖職者も制作を依頼していました。元々本は修道院で作られることが一般的であったことを考えると、当然と言えば当然なのですが、聖職者の権力が弱まった19世紀以降はほとんど見かけることは無くなりました。
所有者を示す方法

日本における蔵書票 

明治時代後期、オーストリア人版画家により日本に伝わったとされる蔵書票が、静かに産声を上げました。日本では「蔵書印」が、長らく所有者を示す道具として活用されてきた関係で、蔵書票は暫くの間人口に膾炙しないままに、一部のコレクターによって親しまれてきました。
蔵書票あれこれ

マダム・デュ・バリーの蔵書票 紋章型

「マダム・デュ・バリー」の名前を聞いたことがある方は少なくないと思われます。特に、ベルサイユのバラでの悪辣な発言と高慢な態度は、記憶に残る映像の一つでしょう。実は彼女も、蔵書票を所有する、いわゆる票主の一人でした。
挿絵としての蔵書票

挿絵としての蔵書票2 橋口五葉

後世に名を残している画家の手による蔵書票というものを、時折見かけます。今回紹介する橋口五葉は、明治・大正と二つの時代を又にかけて活躍した画家です。彼の業績の中で比較的良く知られているのが、夏目漱石の著作の装幀で、その一つに蔵書票?と思しき版画を刷り込んだ一冊があります。
蔵書票あれこれ

革で作られた蔵書票

蔵書票の素材として選択されるもののほとんどは、「紙」です。一方で、「革」で作られた蔵書票というものが、ごく稀に存在しています。紙であっても革であっても使用法に変わりはありませんが、一冊の本に対する想いの強さを、革には強く感じます。
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