スーパー・エクス・リブリス 本の所有者を箔押しで示す方法 紋章の意義について

Bonjour.

お子さんの除いた普段インターネットを利用している方の中で、Wikipediaを一度も閲覧したことの無い方って日本にほぼ存在していないのではないかと思われます。何を調べるにしても最初に引っかかるのがWikipediaというケースが多いですし、Wikipedia自体を編集されている方も日本に多くいらっしゃいます。かくいう私も、最近編集作業にいそしんでおりました。何の項目かと言いますと「蔵・書・票」! 以前より修正しないとな~と思いつつ、放置しておりまして。。😅 で今回追加した情報の中で、このジャーナルでも紹介したい項目がありました。その名もスーパー・エクス・リブリス

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

 

 

紋章は蔵書票に見られる版画で刷られたものだけに留まらず、今回のように箔押しという金を押し込む技術が採用されたり、陶器類では絵付けされたり、木材では直接彫り込まれたりと、材質によって適切な形で示されます。それとこれまで紋章は個人を表すマイナンバーみたいなものだと説明しておりましたが、蔵書票に関しては例外もありまして、恐らく自分たちの祖先を敬い誇りに思う気持ちから、自分のものではなく最初に紋章を取得した祖先のものを使う場合があります。なので必ずしも蔵書票だけで過去の本の持ち主が分かるという単純な話ではないんですね😕

 

 

こちらがスーパー・エクス・リブリス、ないし、スーパー・リブロと呼ばれているものです。日本語で言えば、単に箔押しされた所有権となります。接頭辞がスーパーなのは、恐らく蔵書票よりも一段高級な所有権の示し方という意味合いで付けていると考えられます。ただこのスーパー・エクス・リブリスの名称も未だ仮名みたいなもので、これを専門的に研究した本を私は一冊も見たことがありません。

今回お伝えしたかったこととして重要なのが、改めてエクス・リブリスって何なの?です。エクス・リブリス=蔵書票のイメージが世界的に浸透して久しいのは、私も重々理解しています。実際、英語版ウィキペディアの蔵書票のタイトルはEx Libris(bookplate)となっています。bookplateというのが日本でいうところの蔵書票に当るので、要は蔵書票とエクス・リブリスは同義ですよってタイトルで言っているようなものな訳です。ところがエクス・リブリスは蔵書票のために作られた造語ではなく、本の所有権がどこにあるのかを表すラテン語に他ならないので、今回紹介しているスーパー・エクス・リブリスにせよ、例に挙げたスペインの大学図書館が所有しているコレクションにせよ、エクス・リブリスの在り方の一つです。従って蔵書票にしてもエクス・リブリスの一つであって、エクス・リブリスそのものではないのです。随分ややこしく書き連ねましたけど分かりましたかね??笑

 

 

何とこの本の場合ですとスーパー・エクス・リブリスの他に、蔵書票までもご丁寧に貼り付けておりまして、言わば二重にエクス・リブリスを主張しているかなり珍しいケースと思います。本の中身がスイスのヴォ―県に関連する紋章を一覧にしたものなので、実際に紋章を所持している持ち主としては誇らしく思ったのかも知れませんね😁

 

おわりに

 

正直、英語版のウィキペディアにも追記してやろうかなと目下画策中です。内容的には日本版よりも圧倒的に充実しているのですが、肝心のエクス・リブリスの解釈については言及していません。というか、蔵書票の研究が本格的に始まった頃からエクス・リブリスとブックプレートを混交させており、長らくほとんど意識されてこなかったんだろうな。。というのが如実に伝わります。メスを入れるのが外様のアジア人ってのは彼らからしたら気に喰わないと思われるかも知れませんが、そんなことはどうだって良いですね😂 てやんでぇ、べらぼうめ!ってな料簡でいきまっしょい😁 ←著者は蝦夷っ子笑

 

動画の全編は下記となります。ついでにチャンネル登録もらえたら嬉ちーなと思うこの頃です。

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