プレス機の用途

Bonjour.

装幀を行う際に欠かせない道具の一つに、プレス機があります。上から圧をかけて、本の糊付けやくせを付ける際に使用します。今回は、私の書斎で実用しております、こちらのプレス機について簡単に紹介してまいります。

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

動画に見えるように、絵にかいたようなプレス機です。1880年代頃のものだそうで、恐らくイギリスかフランス製です。単純に圧力をかける用途のみに特化しております。上のプレス機の部分と下の台は分離するのですが、上が25kgくらいあるので、携帯性にはお世辞にも優れていません。ただ、こういった作りになっているということは、実際に切り離しての利用が期待されたという証明と感じます。

ハンドルを時計回りに回転させて、下にセットした本に圧をかけます。糊付けする際には、プレスの前にクッキングシートを一枚挟むことが多いです。目がつまっているからか、クッキングシートは接着剤をはじく効果があるので、プレスの際にはみだした糊が予期しない場所にくっつくのを防いでくれます。ただし、プロの装幀家は使用していないように思います。コロナの収束後、製本工房にお邪魔する機会がありそうなので、その時に確認してみることにします。装幀だけでなく、修復にも利用可能です。

家庭用の製本用プレス機というものがあったか否かは、定かではありません。原則として、18世紀以前は工房に依頼して趣向に合った装幀に仕立ててもらう習慣があったので、自装(自分で装幀する)を行う人はそう多くなかったはずです。それと動画で説明している通り、リネン(麻)プレスと命名されて販売されているものもあったりして、実際には製本よりも生活必需品としての側面の方が強かったのかもしれません。

おわりに

単純にプレスを行う機械なので、製本以外にも様々な用途にて転用出来る可能性を秘めています。私はもっぱら本の修復に特化して使用しておりますが、本に関わる用途のみに拘っているわけではないので、他に活用方法があれば自由に使いまわしてもらって構いません。むしろ、皆さんなりの有効な使用法を私に提示してください。それではメルシー、アビアント、ボンジュルネー!!!

ご興味がございましたら、youtubeのチャンネル登録にご協力頂けますと幸いです。動画の全編は下記となります。ご参考までに。

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