「蔵書票」と「図書館の管理番号」の違い

Bonjour.

うちの書斎にお越し下さる方々に書票の話を偉そうに講じていると、「図書館にある蔵書の管理番号みたいなもんですか??」といった質問を頂戴する機会が実は多いです。結論から申し上げます。厳密には違うけど、蔵書を管理するといった意味では一緒!かな?😜 て、全然結論になってねーだろ!って指摘が飛んできそうなこの頃ですが、用途が被っている部分もあれば、書票だけに限定的な要素もあったりするので、一概にこう!と断言することができましぇーん。ま、とりあえずいつもの動画でも見て頂きながら、かるーく補足してみますね🎈

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

今回は図書館の除籍本、つまり、何らかの理由で図書館として不要になった本を一冊頂戴してきました。除籍本は廃棄される前に自由に持って行って下さいといった形で、大概図書館の分かりやすい場所に設置されますが、たまに掘り出し物があったりして、そこいらの古本屋でも安くは販売されないものも混じっていたりします。で、図書館で管理される本のほとんどは、背中の下部に管理番号が付与されいて、それでどこの書架の上から何番目あたりと見当がつくようになってることは、皆さんご存じかと思います。

動画の通り、蔵書を管理する機能が備わった蔵書票もありました。ただしそういった機能を票主(蔵書票の所有者)たちは求めていなかったようで、番号を付与した蔵書票自体はそれほど多くはありません。むしろ本を所有しているというステータス的側面や、本が紛失した際それが誰のものであるか分かるようにするために、貼り付けていたとされています。特に18世紀以前の蔵書票では、私でさえ目にした記憶がありません。

今回のテーマとは関係ないですけど、中々素敵な文言なので紹介してみました。こういった座右の銘的なものは、モットーと紋章学では呼ばれています。初期の蔵書票のデザインは、紋章もしくは、紋章をアレンジメントしたものが多かったので、蔵書票とモットーは切り離して語れない要素となっています。今回のモットーはフランス語ですが、モットーはラテン語で記述されるケースが大多数です。ヨーロッパ社会におけるラテン語の権威と密接に関わっていると推測されます。

おわりに

勝手な推測ですが、近代に至るまで図書館における文書の管理って、あくまでも本を借りる側ではなく管理する側の都合で制度化されていたんじゃないかなと思ったりしています。今みたいに本に直接番号を貼り付けるなんて、本が貴重だった古代中世では考えられない話ですし、本を探すのも基本的に司書に問い合わせるしかなかったはずです。そもそも本を借りることすら出来ず、その場で読む権利しか与えられていなかった時代もあったので、そう考えると本に直接番号を付与するというのは、本の歴史からすればつい最近始まった文化と言えないでせうか??ということで、あびあんと。

動画の全編は下記となります。ついでにチャンネル登録もらえたら嬉ちーなと思うこの頃です。

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