美術作品としての蔵書票

Bonjour.

蔵書票は、本の所有者を示すために、表紙の裏側に貼り付けて使用するものであることはこれからも変わりませんが、実は19世紀後半頃より、別の用途での需要が高まってきました。むしろ現在では、こちらの使用法が一般化していると言っても何ら過言ではありません。

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

本に貼り付けるものを額装してしまうというのは、この世界を知らない方からすれば、要領を得ない行為に見えると思います。これは、習慣として貼り付けていた蔵書票に、「美術作品」としての価値が加わったことが、大いに関係しています。


集めてコレクションしたり、それを元手に他者と交換したりと、一様ではない在り方が現在の蔵書票には備わっています。先ほどの額装の話にしてもそうですが、結局、貼り付ける行為に躊躇するほどに芸術性の高い蔵書票が19世紀頃より登場した事実が、必然的に多様性に向かわせたと容易に想像されます。


大袈裟ではなく、蔵書票を貼り付けて使用する人は、限りなく皆無に近いです。国外も同様です。むしろ、貼り付ける行為そのものを否定的に見るきらいもあるくらいで、私としては残念な思いで状況を観察しています。ま、それを何とか変えていきたいというのが、こちらのサイトを立ち上げた目的でもあるんですけどね。

おわりに

貼り付ける行為が至上とは、つゆも思っていません。様々な使用用途が併存していくことこそ、私が望む蔵書票の未来です。蔵書票の美術的側面が注目されたからこそ、研究は進んだのは紛れもない事実です。それが契機となって、私の活動も始まりました。各々のポジティブな部分を抽出し、蔵書票の発展的な未来を築いてまいりたく思う次第です。

ご興味がございましたら、youtubeのチャンネル登録に協力頂けますと幸いです。動画の全編は下記となります。ご参考までに。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました