Bonjour.
西洋の写本について解説した動画の最終回となります。今回は一体何が書かれているかについて言及しました。ラテン語に明るくないので曖昧な説明に終始していますが、大目に見て下れば幸いです😂
※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。
古い本(おおよそ18世紀以前に出版された本)の解説をしようとすると、このラテン語という怪物がしょっちゅう登場して私の頭を悩ませます笑。今回の写本に至っては「ラテン語もまともに読めない奴が本なんか読むんじゃねぇ!」と言われてもおかしくない時代の遺物ですので、むしろろくに読めない私の方が確実に悪いことになります笑。アルファベットも無茶苦茶読みづらく、ブラックレターと呼ばれる中世由来の書体で書かれています。一応全文をここに記すと、Officium majoris hebdomade. A Dominica in Ramis palmarum usque ad Sabbathum sanctum inclusive.となります。
キリスト教徒としての生活を端的にまとめた言葉だと思ってますが、先ほども申し上げた通りラテン語に明るい訳ではありませんので、ちげぇよって思った方はコメント下さい笑。正直な話、私も長らくサバト=キリスト教に背くような行為を行う夜宴と認識していたのですが、この語源が今回の安息日に相当するというのが一応通説らしいです😮 またキリスト教では原則として日曜の午前中に一般向けにミサを行いますが、これは日曜日の早朝に復活したキリストを称えるためのもので、代わりにこの日の奉仕作業は休みと取り決められています。
キリスト教では初期の頃からグレゴリオ聖歌が歌われてきたとされていますが、暫くは口伝のみで伝わったと言われています。その後現在の楽譜の原形が作られ、それが発展して今回のネウマ譜が誕生したようです。初期のネウマ譜は四線譜(四本の線が平行に引かれている譜面)から始まり時代が進むごとに現在も使用されている五線譜に移行しました。今回の写本の譜面は五線譜ですので、羊皮紙のネウマ譜としては比較的新しいものと推定されます。と言ったってざっと500~600年は経ってるので新しいという表現もあまり正確ではないかも知れませんね😂
前回の動画でもちょろっと触れましたが、どうやら表紙と中身がもともと別ものだったようです。その最大の理由が、表紙の裏に書いてあるグレゴリオ聖歌のタイトルごとに振ってあるページ番号です。この番号に当然中身が対応していないとおかしい訳ですが、結論としては対応していません。というよりも、番号そのものが中身の羊皮紙には書かれていません。詳しい理由は分かりませんが、当時写本を用いていた人にとってはそんな番号など参照しなくともどこに何が書かれているか暗記していた可能性はあると思います。いずれにせよ、これは写本に共通している特徴です。
おわりに
今回の写本のように、本の表紙が劣化してその中身と分離してしまった場合、一般的には再装幀(リバウンド)という作業によって新しい表紙を誂えるのが一般的な流れです。それを別の本で使用していた表紙をこっそりあてがってそれらしく見せた例というのは、少なくとも私自身は聞いたことがありません😜 まぁこれだけ大型の本の表紙を新しくこしらえるのはかなり難儀するでしょうから、出来るだけ楽をしたいという人間の心理を考えれば理解のいく行動です笑。それと対応はしていないものの、表紙も中身も都合よくグレゴリオ聖歌に由来するものだったことも、こういった行為を促進させる材料になったのかもしれませんね👌 以上です!
動画の全編は下記となります。ついでにチャンネル登録もらえたら嬉ちーなと思うこの頃です。
コメント
訳は大体合っていると思います。
ただ、綴りが違うと思います。
fanctum →sanctum fは横棒がないのでs。
inclufiuc →inclusive fは横棒がないのでs、uはvか、cはeに見える。
Officium majoris hebdomade. A Dominica in Ramis palmarum usque ad Sabbathum sanctum inclusive.
主要な 1 週間の作業。 ヤシの枝の日曜日から聖なる安息日まで。
例のAkismetのスパムチェックにコメントが引っかかってました笑
有難うございます<(_ _)>、いわゆるロングSというやつですね、修正しておきました