本の著者

小穴隆一の装幀 芥川龍之介との関わり

洋画家「小穴隆一」の名を知る方は、そう多くはないはずです。洋画家としては高く評価されなかったものの、芥川龍之介の初版本の装幀を手掛けた側面は、未だ注目に値する業績です。また、彼との密接な関りも、小穴の人生を少なからず彩っています。
所有者を示す方法

聖職者の蔵書票2 司祭編

前回に引き続き、聖職者の蔵書票の紹介です。前回よりも精緻な銅版画で、当時におけるカトリック教会の権威性が、ひしひしと感じられます。また蔵書票の真ん中に配置されている骸骨には、西洋絵画に特有の「ある要素」が垣間見えます。
蔵書票あれこれ

聖職者の蔵書票1 司教編

蔵書票は、平民貴族のみならず、実は聖職者も制作を依頼していました。元々本は修道院で作られることが一般的であったことを考えると、当然と言えば当然なのですが、聖職者の権力が弱まった19世紀以降はほとんど見かけることは無くなりました。
所有者を示す方法

日本における蔵書票 

明治時代後期、オーストリア人版画家により日本に伝わったとされる蔵書票が、静かに産声を上げました。日本では「蔵書印」が、長らく所有者を示す道具として活用されてきた関係で、蔵書票は暫くの間人口に膾炙しないままに、一部のコレクターによって親しまれてきました。
蔵書票あれこれ

マダム・デュ・バリーの蔵書票 紋章型

「マダム・デュ・バリー」の名前を聞いたことがある方は少なくないと思われます。特に、ベルサイユのバラでの悪辣な発言と高慢な態度は、記憶に残る映像の一つでしょう。実は彼女も、蔵書票を所有する、いわゆる票主の一人でした。
写本

16世紀における西洋の装幀 豚革で包まれた本

本の装幀に革を使う場面は少なくありません。使用する革の種類も様々ですが、現在は主にヤギと牛の革が選択される場合がほとんどです。一方で、今回ご紹介する本は、豚革で包まれています。豚革本は、古典的装幀を語るうえで外せない要素なのです。
その他

書斎企画「で、装幀って何?」展の様子

オープンな書斎ル・プティ・パリジャンでは、時折一風変わった展示を実施しております。今回は、装幀の構造をより深く把握するために、敢えて「壊れた本」を設置しました。
本の構造

ゲテ本装幀1 造本小僧浮世戯書 青園荘刊行

嘗て、斎藤昌三という一人の愛書家が、「下手本」ばかり世に送り出す活動を行っていました。下手とはいわゆるゲテモノのゲテで、装幀に使用する素材が異常であったり、実用性に欠ける仕様になった造本などを、総じて下手本と呼称していました。今回はその中でも特に変わった一冊を紹介します。
挿絵としての蔵書票

挿絵としての蔵書票2 橋口五葉

後世に名を残している画家の手による蔵書票というものを、時折見かけます。今回紹介する橋口五葉は、明治・大正と二つの時代を又にかけて活躍した画家です。彼の業績の中で比較的良く知られているのが、夏目漱石の著作の装幀で、その一つに蔵書票?と思しき版画を刷り込んだ一冊があります。
工房訪問

製本における、手かがりと機械かがりの違い

かつての本は、例外なく「糸」を使用して作られていました。バラバラのページの束を、太い糸で綴じることで、本の原型を作り上げていた訳です。そして糸によるかがりにも二種類あって、それぞれに一長一短の特徴があるのです。
Translate »
タイトルとURLをコピーしました