本の著者小穴隆一の装幀 芥川龍之介との関わり 洋画家「小穴隆一」の名を知る方は、そう多くはないはずです。洋画家としては高く評価されなかったものの、芥川龍之介の初版本の装幀を手掛けた側面は、未だ注目に値する業績です。また、彼との密接な関りも、小穴の人生を少なからず彩っています。 2020.10.07本の著者本の装幀家装幀あれこれ装幀のスタイル
所有者を示す方法聖職者の蔵書票2 司祭編 前回に引き続き、聖職者の蔵書票の紹介です。前回よりも精緻な銅版画で、当時におけるカトリック教会の権威性が、ひしひしと感じられます。また蔵書票の真ん中に配置されている骸骨には、西洋絵画に特有の「ある要素」が垣間見えます。 2020.10.01所有者を示す方法蔵書票あれこれ蔵書票の持ち主貼り付けされた蔵書票
蔵書票あれこれ聖職者の蔵書票1 司教編 蔵書票は、平民貴族のみならず、実は聖職者も制作を依頼していました。元々本は修道院で作られることが一般的であったことを考えると、当然と言えば当然なのですが、聖職者の権力が弱まった19世紀以降はほとんど見かけることは無くなりました。 2020.09.21蔵書票あれこれ蔵書票のスタイル蔵書票の持ち主
所有者を示す方法日本における蔵書票 明治時代後期、オーストリア人版画家により日本に伝わったとされる蔵書票が、静かに産声を上げました。日本では「蔵書印」が、長らく所有者を示す道具として活用されてきた関係で、蔵書票は暫くの間人口に膾炙しないままに、一部のコレクターによって親しまれてきました。 2020.09.17所有者を示す方法蔵書票あれこれ蔵書票のスタイル蔵書票の持ち主貼り付けされた蔵書票
蔵書票あれこれマダム・デュ・バリーの蔵書票 紋章型 「マダム・デュ・バリー」の名前を聞いたことがある方は少なくないと思われます。特に、ベルサイユのバラでの悪辣な発言と高慢な態度は、記憶に残る映像の一つでしょう。実は彼女も、蔵書票を所有する、いわゆる票主の一人でした。 2020.09.06蔵書票あれこれ蔵書票のスタイル蔵書票の持ち主貼り付けされた蔵書票
写本16世紀における西洋の装幀 豚革で包まれた本 本の装幀に革を使う場面は少なくありません。使用する革の種類も様々ですが、現在は主にヤギと牛の革が選択される場合がほとんどです。一方で、今回ご紹介する本は、豚革で包まれています。豚革本は、古典的装幀を語るうえで外せない要素なのです。 2020.08.30写本本の構造本の著者装幀あれこれ装幀のスタイル
その他書斎企画「で、装幀って何?」展の様子 オープンな書斎ル・プティ・パリジャンでは、時折一風変わった展示を実施しております。今回は、装幀の構造をより深く把握するために、敢えて「壊れた本」を設置しました。 2020.08.22その他書斎の様子本の構造装幀あれこれ装幀のスタイル
本の構造ゲテ本装幀1 造本小僧浮世戯書 青園荘刊行 嘗て、斎藤昌三という一人の愛書家が、「下手本」ばかり世に送り出す活動を行っていました。下手とはいわゆるゲテモノのゲテで、装幀に使用する素材が異常であったり、実用性に欠ける仕様になった造本などを、総じて下手本と呼称していました。今回はその中でも特に変わった一冊を紹介します。 2020.08.17本の構造装幀あれこれ装幀のスタイル
挿絵としての蔵書票挿絵としての蔵書票2 橋口五葉 後世に名を残している画家の手による蔵書票というものを、時折見かけます。今回紹介する橋口五葉は、明治・大正と二つの時代を又にかけて活躍した画家です。彼の業績の中で比較的良く知られているのが、夏目漱石の著作の装幀で、その一つに蔵書票?と思しき版画を刷り込んだ一冊があります。 2020.08.11挿絵としての蔵書票蔵書票あれこれ蔵書票のスタイル蔵書票作家
工房訪問製本における、手かがりと機械かがりの違い かつての本は、例外なく「糸」を使用して作られていました。バラバラのページの束を、太い糸で綴じることで、本の原型を作り上げていた訳です。そして糸によるかがりにも二種類あって、それぞれに一長一短の特徴があるのです。 2020.08.05工房訪問本の構造装幀あれこれ