英国の作家チャールズ・ディケンズは、クリスマス・キャロルやデイビッドカッパーフィールドなど、19世紀フランスの貧民や庶民を主人公に据え小説で大成功をおさめました。そんなディケンズですが、実は蔵書票を所有していたことは全く知られていません。恐らく1万人に1人も知らないでしょう笑。古い蔵書票の専門書などでは必ずと言って良いほど取り上げられるのですが、そんなもん読んでる人間は日本で私含めて10人ぐらいなもんですから、知っている方がおかしいんです笑。御託はさておき、本題の蔵書票を見ていきましょう。
※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございす。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。
ディケンズは英国人ですが、本はアメリカのオークションで落札しました。一般的なオークションのイメージを皆さんがどう持たれているかは分かりませんが、一般的なオークションには必ずテーマが存在し、例えば19世紀の宝飾品がメインですよ、とか、ヨーロッパ製の人形がウリのオークションなど、一つのテーマに関してそれに関連する商品を出品するというのが基本です。私が落札した際は、ディケンズの初版本や関わった雑誌などが中心のオークションでした。ちなみに蔵書票が貼ってあった旧蔵書は全部で三冊出品されていましたが、運良く一番欲しいものが落札出来ました。コストが半端じゃなかったけど😂
ディケンズの蔵書票ですが、デザインの観点からはかなりディスられています笑。そもそもアールヌーヴォ―が始まる19世紀後半以前の蔵書票の美術的評価はかなり低いので、別にディケンズのものが特別に貶められることも無いのですが、これは大作家ゆえの災難でしょう😂 ただ動画でもお話している通り、実はこれ紋章の一部を切り取って蔵書票に仕立てた珍しい例ではあるのです。問題は何でこんな奇妙な行為をするに至ったかなのですが。。
当時の英国では貴族や上流階級の権威がかなり没落しつつあり、平民の成金、いわゆるブルジョワがヨーロッパ中に台頭し始めました。そして紋章は上流階級の証でもありましたので、名誉欲を重んじる成金にとっては喉から手が出るほど欲しいものだったそうです。ただ紋章は原則として申請式でして、一定の階級以上でないとどんなに裕福であろうと授与される見込みが薄かったようで、ディケンズにしてもそれは例外では無かったと考えられます。実際、これまでの功績を元にディケンズに騎士階級の称号(ナイト)が与えられていたならば、恐らく問題なく紋章を使える身分として認められていたでしょう。
Suffork Surnames(サフォーク地方の姓)は、その名の通り、サフォーク地方に由来する姓を調査して紹介した一冊です。本を献呈されたディケンズは、自身が監修していた雑誌のネタでこの本の内容を取り扱っています。中にはDrinkmilk(牛乳を飲む)やHelpusgod(神よ救いたまえ)といったおよそ信じがたい苗字も取り上げられていますが、元サッカー日本代表の岡崎が所属していたレスターシティの選手でDrinkwater(水を飲む)という選手がDFに在籍してて一時メディアでも紹介されてました🤣 彼の出自を調べていくと、もしかしたらサフォークと繋がるかもしれませんね◎
英国では現在もなお紋章制度が残っています。ただし個人での申請はほぼ皆無で、お店や会社のロゴに紋章を使用したいといった場合がほとんどのようです。それにしても明らかに時代にそぐわない制度を敢えて残す英国のプライドも、フランスにおけるそれと大差ないように感じるのは私だけでしょうか笑😂😂😂? 以上となります!
動画の全編は下記となります。ついでにチャンネル登録もらえたら嬉ちーなと思うこの頃です。
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