王家の蔵書票 オーガスタス・フレデリック ジョージ4世の弟

英国王室図書館は、世界でも有数の貴重書を所蔵していることで知られています。それとは別に王家の人間が各個人で本を収集していたようで、その根拠として彼らも蔵書票を所有しています。身近なところですと、以前ご紹介した現英国女王エリザベス二世の蔵書票が挙げられます。現在はただ本を所有していたところで何のステータスもありませんが、その昔は計り知れない価値を持ったれっきとした資産でしたので、王家の人間にとっては恰好のコレクションの一つだったのかもしれませんね。今回はハノーヴァー朝第三代国王、ジョージ三世の息子に当るオーガスタス・フレデリックの蔵書票を見ていきます。

 

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

 

 

こちらがオーガスタス王子の蔵書票です。このジャーナルをご覧頂いている方にはお馴染みの紋章型ですね。ご存じない方には、こちらの動画が参考になるかも知れません。この人は後にサセックス公爵となるのですが、公爵の頃の紋章がこちらの動画と少し異なっているので、恐らく若かりし王子の頃のものでは?と推測しています。紋章の中に描かれているライオンやら馬の図柄(チャージと呼びます)は全て特定の地域を表しているのが特徴で、現在もなおイギリスがグレート・ブリテンと呼ばれる連合国である所以ともなっています。

 

 

まずユリのマーク(チャージ)のことを、ひたすら紋章と説明している点は気にしないで下さい笑。でもここが重要な要素で、以前読んだAustralian Book-Platesの中で「フランスは革命後に共和制となったことで国の権威を失い、かつ1801年にアイルランドとイングランドが連合国となったことで、フランスの象徴であるユリを紋章に配置する場所が失われた」と書かれています。ここから考えると、この蔵書票は1801年以降に作られた可能性が高いと考えられます。逆に英国の紋章にユリのマークを最初に取り入れたのは、百年戦争の英雄としてお馴染みのエドワード三世だったそうです。

 

先ほど紹介したサセックス公爵を、現英国王室のアウトロー?(嘘)ヘンリー王子が継承したらしいです😁 元々は兄のウイリアム王子がサセックス公を継ぐ予定だったみたいで、何で変更になってしまったのかについては私も知る由がありません😂←ご存じの方教えて下さい。 紋章と同じく爵位の引継ぎにも一定のルールがあると思うのですが、我々が思っているより適当なのかも知れません。

 

おわりに

余談。フレデリック・オーガスタスはヴィクトリア女王の叔父にあたる人物で、女王は幼い頃からこの叔父に好感を持っていたようです。オーガスタスは二度結婚しているのですが、いずれも王室の許可を得ていない事実婚だったらしく、きっとこの人もヘンリー同様かなりアウトローな人物だったのでしょう。そんな訳でオーガスタスの妻になった人は公爵夫人の爵位が与えられず不遇だったところを、ヴィクトリア女王が特別にインヴァネス女公爵の爵位を与えて丁重に取り計らったそうです。どこか憎めない部分があったのかも知れませんね! あ・びあんと💓

 

動画の全編は下記となります。ついでにチャンネル登録もらえたら嬉ちーなと思うこの頃です。

LE PETIT PARISIEN

(恐らく)日本で唯一の活動をしています。

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