Bonjour.
一時期私が結構注目した画家の一人に、ハインリッヒ・フォーゲラーの名が挙げられます。ドイツのブレーメン出身で、19世紀後半~20世紀前半にかけて精力的に作品を発表していました。ただ正直、フォーゲラーの詳しい来歴は知りません!😂笑 アール・ヌーヴォー絡みのトピックでちょくちょく取り上げられる画家でもあり、実際その影響を多分に受けながら若い頃は活動していたようです。書籍の挿絵画家(イラストレーター)としても抒情的な良い作品があります。そしてこのジャーナルの肝となっている蔵書票も制作しており、都合よく一点所有しておりましたのでそちらを紹介してみたいと思います😉
※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。
フォーゲラーは、ブレーメン出身のドイツ人画家です。当時一世を風靡した(と思われる)アール・ヌーヴォーの流れをくむ雑誌ユーゲントでも表紙絵を任されたりして結構な売れっ子画家だったようです。興味深いのは日本との関わりで、民芸運動の旗振り役として有名な柳宗悦との交流から作品を日本に発送して、展示会を実施してもらったそうです。そんな訳で、日本では早い段階からフォーゲラーが紹介されていたことが分かります。しかも柳の要請で日本最初期の文芸雑誌「白樺」のマークもデザインしまして、柳をはじめとする当時のブルジョア青年たちがいかにこの新芸術傾向に熱心だったかがうかがえますね。ちなみに白樺のマークはこちら。
で、こちらがフォーゲラーの蔵書票。リヨンで刊行されたルサージュ著「ジル・ブラース物語」に貼り付けられています。本の仕様と挿絵の感じから恐らく18世紀に刊行された本ですので、フォーゲラーの蔵書票はその100年後くらいに貼り付けたものと推定されます。いかにもヌーヴォーらしい耽美的な描写で構成されており、美術的側面からみた蔵書票としては中々出来の良いものではないでしょうか?
それと後程調べたところによると、票主(蔵書票の持ち主)であるアルフレッド・ヘイメルは当時貴族階級の作家・編集者だったようで、自宅の設計をフォーゲラーに依頼しています。こちらのwikiに掲載されています。信ぴょう性は分かりません。(ドイツ語です)
フォーゲラー作他二点の蔵書票はこちら。(1901年ドイツ刊行 Exlibrisより)
後半生は、共産主義運動にのめりこんだりで、その影響もあってか作風が激変したようです。フォーゲラーというとどうしてもドイツにおけるイラストレーターのはしりみたいな印象が強かったので、その後の強烈で不安感をもよおさせるような色彩は意外でした🙄🙄 それほど多くの作品が残っている訳ではなさそうなので単独での展示の機会は少ないと思うのですが、この時代の作品も是非フューチャーしてもらいたいですね!
フォーゲラーは本の挿絵画家としての側面も持ち合わせています。同時代ですとエロティック版画で一世を風靡したバイロスの挿絵の方が圧倒的な市民権を持っていたかも知れませんが、静謐で素朴な作風は今なおレトロモダンな印象を一部の人に与える力があるように思います😘 書斎にも一冊あったので写真を掲載しておきます。サリュ~
動画の全編は下記となります。ついでにチャンネル登録もらえたら嬉ちーなと思うこの頃です。
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