Bonjour.
今回のジャーナルは、前回最古の蔵書票でちょろっと言及しました紋章の要素の一つであるカンティング・アームズ(Canting Arms)を補足する記事となります😁 ジャーナルの本旨からは少し外れてしまうのですが、紋章のことを知らないと古い時代の蔵書票には深く切り込んでいけないので、今回は番外編のようなものとして考えてもらえると幸いです! ちなみにシェイクスピアの紋章の中に見えるカンティングについてお話をします。
※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。
こちらがシェイクスピアの紋章。動画に見えるように、デザインとしてはいたってシンプル😁特別な事情を除き、作られた当初の紋章はこのようなサッパリとした仕様となっているものが多い(はず)です。結婚したり分家となったり、はたまた何らかの勲章をもらったりした際に、それまでの紋章のデザインに新たな図案が書き加えられ、どんどん複雑化するのです。
この投げヤリは単なる図案の一つにとどまらず、実は自分の名前と部分的に掛けているということです◎カンティング(Canting)は紋章学の専門用語みたいなもので、言わば家名を暗示する図形を用いた紋章を指します。一般的には「もったいぶった口調の」のような意味が与えられていて、恐らく、もったいぶった=直接的に言わない=暗示するというところから、紋章におけるカンティングという用語が生まれたんじゃないかな~と推測しておりまする😋
こっちのカンティングは、この動画を挙げる直前まで私も知りませんでした😋 まぁ実際にシェイクしている感じには見えないので、本当かいな?といぶかっている部分もあるにはあるんですが、British Libraryの学芸員が書いていた記事を参考にしたので、信ぴょう性は低くないと思います~!
最後にモットー。Non Sans Droictは、平等の精神を遠回しに表現していると推測されます。とてつもない階級社会の中で一庶民に過ぎなかったシェイクスピアが、上流の証である紋章を手に入れた際の個人的な想いをモットーに込めたかった気持ちは何となく分かります。俺だってお前ら貴族と同じ人間なんだから、紋章を取得したって良いだろう?ってことですね😁
最後にモットーがフランス語で書かれている所以ですが、恐らく紋章の起源が現在のフランスにあるからではないかな?と考えています。イギリスは11世紀にフランス人に支配されています(ノルマン・コンクエスト)。その際に、紋章の起源と思われるデザインが楯に描かれているのです(バイユーのタピストリー)。作品の中でも紋章の話が沢山出てくるように、あれだけ紋章にこだわったシェイクスピアですから、その辺も考慮に入れてフランス語にしたのではないかという訳で~す。以上!
動画の全編は下記となります。ついでにチャンネル登録もらえたら嬉ちーなと思うこの頃です。
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