Bonjour.

蔵書票の世界的な通り名は、エクスリブリス(EX LIBRIS)、ないし、ブックプレート(book-plate)です。日本においても、現在作家によって制作されている蔵書票のほとんどは、暗黙のルールよろしく、票内のどこかにEX LIBRISが明記されています。一方でBook-Plateは、蔵書票を紹介・解説した洋書内で数多く見られる表現です。いずれにせよ、これら二つの単語の意味は、「本の所有者が誰であるかを示す小片」とされています。しかしながら、実際には微妙な差異があることが、調査によって判明しました。

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっている場合がございます。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

いきなり話を錯綜させてしまいましたが、要は、「現在は」ブックプレート=エクスリブリス=蔵書票といった数式?が成立しているという事実をお伝えしたかったのです。ただし、何度も言いますが、あくまでも「現在は」です。半ばなし崩し的に、このような状況が発生したように思います。

言わば、エクスリブリスはブックプレートの「親」のようなものです。数学の集合で言えば、エクスリブリスの大きな円の中に、ブックプレートの小さな円が取り込まれているような関係ですね。表紙に押し込んである紋章は、厳密には、スーパーエクスリブリス(super ex libris)ないし、スーパーリブロス(supar libros)と分類されているのですが、お客様に説明する際に名称がダサすぎることから、私は単にエクスリブリスと呼んで茶を濁しています(誰だよ考えた奴笑)。これまでお話ししてきたように、紋章だけで所有者が誰であるのか担保されるので(参考記事)、こちらもれっきとしたエクスリブリスと言える訳です。

実は、こういった記名も、「エクスリブリス」と歴史的に分類されてきました。先ほどの表紙への紋章の箔押しも然り、これまで見てきた別紙を貼り付けて所有者を示す在り方とは異なるものの、役割としてはいずれも同様です。

おわりに

plate(札、板)の言葉が示すように、ブックプレート(book-plate)は、本に作用する一つの道具とみなされている反面、エクスリブリス(EX LIBRIS)は、本の帰属する場所を示す行為の「全て」を指すと考えられています。したがって、貼り付ける行為はもとより、箔押しする行為も、はたまた、ペンで記名するそれすらも、全て、エクスリブリスの範疇に属するのです。と、今日はこんなところで。それでは、メルシー、アビアント、ボンジュルネー!!

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LE PETIT PARISIEN

(恐らく)日本で唯一の活動をしています。

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