蔵書票とは、「本に貼り付け、その所有者を示す道具」です。蔵の文字を取って、単に書票と呼ぶ場合もあります。国外では、book-plate(ブックプレート)、ないし、EX-LIBRIS(エクス・リブリス)の呼び名で通っています。今回は、薔薇十字社刊行「吸血鬼幻想」(装幀野中ユリ)を使用し、端的に説明いたします。

※※必要な部分のみ切り出して紹介しておりますので、途中から動画が始まっております。まずは動画からご覧になり、補足をお読みください。

 

蔵書票は、書籍の「見返し」の箇所に貼り付けられることが一般的です。見返しとは、書籍の表紙を開いた裏側の部分とお考え下さい。表(おもて)表紙の裏側であれば表見返し、裏(うら)表紙の裏側であれば裏見返しとなります。今回は裏見返しに蔵書票を貼り付けておりますが、表見返しに貼り付けられたものの方が多数を占めています。見返しでない箇所に貼り付けられている蔵書票も、時折見かけます。

蔵書票の素材は原則「紙」となります。一部、革で作られたものも存在しています。銀細工の蔵書票もあるとかないとか。。制作の際に選択される技法としてポピュラーなのが、今回ご紹介した木版画、あるいは、銅版画です。リトグラフやオフセット等で印刷される場合もあります。制作する技法に、特別な制約はありません。極端な話、手書きでも蔵書票は作れます。

書籍が誰のものであるか分かるよう、個人名や屋号、社名などを蔵書票に記入します。今回のように手書きで記入するものもあれば、事前に所有者の名称を版画で彫り込んでいるものも見受けられます。蔵書票の配置は、個人の趣向によって配置は様々です。今回は見返しの真ん中付近に貼り付けていますが、左下や中央上に貼り付けられたものもあったります。

おわりに

書籍そのものが物質的価値を持っていた時代の産物、それが蔵書票です。
蔵書票は、ある種の権威と深く結びついていた訳です。
拙い編集で恐縮ですが、今後も時間の許す限り、様々な切り口でもって、蔵書票を解剖していく所存です。それでは、メルシー、アビアント、ボンジュルネー!


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以上

LE PETIT PARISIEN

(恐らく)日本で唯一の活動をしています。

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